日本画の話 Vol.1
- 徹 内山
- 2024年7月16日
- 読了時間: 2分
日本画とは?よく皆さんに聞かれます。日本画って何ですか?墨絵ですか?油絵や水彩画とどう違うのですか?などなど。こちらのブログに少しずつ書いていこうかと思っています。
日本画とは?
日本画とは、明治時代、西洋から油絵(洋画)の技法が輸入された時に、日本古来から続く
伝統的な技法(和紙に墨を使い、膠で顔料(岩絵の具や水干絵の具)を溶いた絵の具を使って描く技法の事を総称して日本画と呼ぶようになりました。
現在では広義に日本画の技法を使っている江戸時代以前の作品に対しても日本画と呼ぶ場合もあります。厳密にいえば、日本画のルーツである日本の絵画、もしくは、日本美術ということが言えるでしょう。
この日本画のルーツは推古天皇の時代まで遡ります。日本書紀には、このように記されています。
「推古天皇十八年(西暦610年)春三月に、高麗王は僧の曇徴(どんちょう)と法定(ほうじょう)を貢いだ。曇徴は五径に通じていた。絵の具や紙墨をよく作り・・・」
日本の正式な記録として残されているものは、これだけで、実際には、古墳時代の壁画や法隆寺の壁画などにも顔料を膠で溶き、水で薄めて筆で描く技法は、すでにあり、朝鮮半島、中国から渡来した、建築技術者とともに画家とその絵の具などの技術者たちもすでに日本に来ていたことは、考えられます。文献上では存在してはいないですが、ほかにも伝えた人たちもいたのではないでしょうか。
紙漉きに関しては、平安時代には、すでに40か所近くの紙(和紙)の産地の記録があり、ひとつの産業へと発展していたことが想像できます。
和紙は、絵を描く道具(基底材)としてだけでなく、幅広く日本人の生活全般に使用されていたのではないでしょうか?
日本に紙、墨、顔料を膠で溶く技法がもたらされて以来、幕末までの1200年の間に日本独自のいろいろな表現が生み出され現代に伝えられています。
それぞれの時代の表現や技法に関しては、またの機会にご紹介していきます。 内山 徹





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